| 以下は健康雑誌「安心」2006年1月号(マキノ出版/マイヘルス社)に掲載された記事です。 |
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2001年1月から2004年9月までに私が院長を務める昌平クリニックを受診された潰瘍性大腸炎の患者さん225人に漢方治療を行い、そのうち166人に桃黄湯を服用してもらって、その効果を判定してみました。 効果の判定は、下痢・粘血便などの主症状が2週間から2ヵ月までに改善されたものを「著効」、6ヵ月までを「有効」とし、両方合わせると約70%の効果が認められました。 では、なぜこんなによく効くのでしょうか。私は次のように考えています。 潰瘍性大腸炎は免疫(体の防衛機構)の主役をなす白血球のうちの、顆粒球という、体の外側から侵入した細菌をやっつける白血球がふえすぎたために起こってきます。顆粒球は活性酸素(毒性の強い酸素分子)を出すので、顆粒球がふえ |
桃黄湯による潰瘍性大腸炎の治療効果
(昌平クリニック:2001.1〜2004.9) |
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| ることにより、活性酸素が大量に作られて、その結果、大腸の粘膜がこわされてしまうのです。つまり、これは自己免疫疾患の一つといえます。 一方、桃花湯の主成分は、赤石脂と呼ばれる珪酸アルミニウムなどを多く含む鉱物です。また、黄土湯の主成分は、かまどの火を焼くところの、内側の黄色く、または赤く焼けたところの土で、これもまた珪酸、酸化カルシウムなどが多く含まれています。 この2つの生薬に多く含まれる珪酸などの鉱物には、活性酸素の発生を抑える働きがあります。そのため、潰瘍性大腸炎の症状が消えていくのではないか、と私はみています。 実際の例で、桃黄湯の効果をご紹介しましょう。42歳の女性Yさんは、2001年1月から血便を訴えるようになり、次第に悪化して、ブレドニンやサラゾピリンによる治療を受けるようになりました。しかし、症状は安定せず、ますます悪化してきたため、2002年8月に来院しました。 そこで、桃黄湯と啓脾湯(けいひとう)という漢方薬を併用してもらいました。啓脾湯も消化器系の不消化下痢に用いる薬です。これらの薬を飲み始めたところ、2ヵ月でほぼ症状が改善し、5ヵ月で正常便に回復しました。 桃花湯や黄土湯は使うのがむずかしい薬とされていますが、試してみるとそうでもありません。それらを組み合わせた桃黄湯は、長期に服用しても副作用はみられないし、中等度や重症の潰瘍性大腸炎の第一選択といっていいほどよく使います。 現代に与えられた漢方の使命は、こうした難病に挑戦することだと私は考えています。 |
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