※以下は 「薬事日報」(11/26/'97)に掲載された記事です| 鍋谷氏によれば、現状では水分量が多く、かつ排便量も多いというのが下痢と西洋医学的には定義づけているが、東洋医学の面からみると、概念をきめ細かく持っているとし、方剤の用い方については、発汗剤・瀉下剤を含むものと温補剤とに使い分けているとした。 一方で、鍋谷氏は、便の性状、腹満、口渇などを把握して方剤を選択すべきとし、具体的に鍋谷氏が扱った潰瘍性大腸炎、過敏性腸、腸切除後下痢――の三疾患について、用いた方剤を紹介した。 まず、潰瘍性大腸炎については、ほとんどの場合、サラゾピリンを服用していたとし、鍋谷氏は粘血便の症状に対し、大桃花湯(だいとうかとう)を使ったところ、予想以上の効果が得られたという。 過敏性腸については、「便秘と下痢を繰り返し、腹痛を伴う疾患」とし、証によって選択すべきとした。鍋谷氏は、気虚の著しいものは補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、腹痛の著しいものに当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)、下痢傾向のものに四逆湯(しぎゃくとう)を用い、有用性が認められたと報告した。 腸切除後下痢について、鍋谷氏は人工肛門を作った患者の症例を紹介。この患者は水瀉性の下痢が一日二○回も続き、下痢の症状が軽快しなかった。そこで、断痢湯(だんりとう)を使ったところ、かなり回数が抑えられた。また、その後、真武湯(しんぶとう)、啓脾湯(けいひとう)を処方したところ、日常生活のレベルに戻った、という。 このほか、花輪氏は、「日常診療で感じること」について述べ、「患者の言葉の中に、答えがある」と強調し、問診の重要性を語った。 |
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